東洋医学と西洋医学の健康観

 

東洋医学と西洋医学は、健康観(健康についての考え方)に大きな違いがあります。

●西洋医学の健康観は「正常値や基準値」を重視する

西洋医学では「数値・基準」をもとに、病気か健康かを医師が判断していきます。

体温が平熱であれば正常で、熱が上がったら病気と考えて熱を下げる薬を処方する。

同様に、血圧、血糖、コレステロール……これらの数値が正常で一定していることが健康と考えています。

「身体や心が一定の状態を保っていることが健康で、そこから外れると病気」という健康観が根底にあり、それによって迅速に治療ができます。

その一方で、「体調不良なのに数値は正常で異常なし」「元気なのに数値が異常あり」と言われることがあり、説明がつかないことがあります。

●東洋医学の健康観は「身体や心は常に変化するもの」と考える


私たちの身体や心は、季節、天候、食事、人間関係など外から様々な影響を受けています。

それと同時に、加齢や体質の変化、ストレス、感情の変化など体内からの影響もあります。

これらの影響を受けていても、受け流す、跳ね返すことができる自然治癒力があれば、健康を保つことができます。

ところが、何かの理由で影響に順応できなくなると、全身のバランスが崩れて異常が生じてしまいます。これが不調であり、病気と考えます。

東洋医学ではこうした症状を治療する場合、体内のバランスがどう崩れているのかに焦点を当て、患者さん自身の力でバランスを取り戻せるように治療を行います。

例えば発熱をした場合、熱を下げる治療をするのではなく、熱で体力を消耗しないようにサポートしながら、熱に対抗する力を高めるように治療していきます。

東洋医学では「すべてのものは絶えず変化し、その状態こそが健康」と考えるため、治療やアプローチ方法は様々です。


当院の「経絡治療」もそのバランスを取り戻す方法の1つとして、施術をご提供しています。