鍼を抜いたあと、どうしてもう一度身体を確認するのですか?

鍼を抜いたら終わり、ではありません

鍼灸の施術というと、

「ツボに鍼をする」
  ↓
「しばらく置く」
  ↓
「鍼を抜く」

というイメージがあるかもしれません。


もちろん鍼を抜くことも施術の一部ですが、

私の場合は、鍼を抜いたあとにもお身体の状態を確認します。


鍼をする前と比べて、何か変わっているところがないか。

最初に感じていた反応がどうなっているか。


そういった変化を確認します。

鍼をする前と、同じ状態とは限りません

鍼をする前に、お身体の状態をみます。

脈を確認したり、切経で経絡の反応をみたり、お腹に触れたりします。

その情報をもとに経穴を選んで、鍼をします。


そして鍼を抜いたあと、もう一度お身体を確認します。


すると、最初に触れた時とは違う反応が出ていることがあります。


例えば、

  • 切経した時の張り方が変わっている
  • 触れた時の硬さが変わっている
  • お腹の感じが変わっている
  • 脈の状態が変わっている

などです。


もちろん、毎回大きな変化が出るわけではありません。

小さな変化のこともあります。

どうして変化を確認するのですか?

経絡治療では、鍼をすること自体が目的ではありません。


その方のお身体がどう変化したのかを確認することも、施術の大切な部分です。


例えば、鍼をする前には「ここに反応がある」と感じていたものが、鍼をしたあとには少し変わっている。


その変化が確認できれば、

「今回の鍼で、この部分にはこういう変化があった」

と考える材料になります。


反対に、思ったような変化が出ていないこともあります。


そういう場合も、

「変わらなかったから失敗」

と単純に考えるのではなく、ほかの反応や脈の状態などと合わせて考えます。

「鍼をした場所」だけを見ているわけではありません

ここは、経絡治療の特徴の一つだと思います。

例えば、手や足に鍼をしたとしても、そこだけを確認するわけではありません。

お腹を触ったり、経絡の反応をみたり、脈を確認したりします。


鍼をする前と比べて、

お身体全体の状態がどう変わったのか

をみていきます。


前回の記事でお話しした腹診も、その一つです。


お腹は鍼をする前だけでなく、施術の途中や鍼をしたあとに確認することがあります。

お腹の変化も、その後の施術を考えるための情報になります。

脈も、施術のあとに確認します

脈をみるのも同じです。

鍼をする前に確認した脈と、鍼をしたあとでは、状態が変わることがあります。


経絡治療では、

補法をした場合に必要な気が補われたか、

瀉法をした場合に余分なものが取り除かれたかなどを、

脈の変化からも確認します。


難しく聞こえるかもしれませんが、

「鍼をしたあと、お身体はどうなったのか?」

を確認している、と考えていただくと分かりやすいと思います。


鍼をしたら、それで終わり。

ではなく、その後の反応も見ています。

変化を確認して、次の鍼を考えます

私の施術では、

経穴を選ぶ

鍼をする

お身体の変化を確認する

その変化をもとに、次の経穴や手技を考える

という流れがあります。

最初に考えた通りに最後まで鍼をして終わり、というわけではありません。


鍼をしたことで変化があれば、その変化も含めて次を考えます。


お身体は、鍼をする前と後で同じとは限らないからです。


その時のお身体をみながら、必要なことを考えていきます。

「最初に決めたところに全部鍼をする」わけではありません

これは、経絡治療を初めて受ける方には少し分かりにくいところかもしれません。


例えば最初に、

「今日はここに鍼をしよう」

と考えていたとしても、実際に鍼をしたあとでお身体の反応が変われば、その後の判断も変わります。


逆に、最初に考えていなかったところに反応が出てくることもあります。


そのため、その日の状態を確認しながら施術を進めていきます。


毎回同じ場所や、同じ本数の鍼をするというものではありません。

鍼灸師が「変化」を確認している理由

患者さんからすると、

「鍼を抜いたあと、また身体を触っているな」

くらいに見えるかもしれません。

でも、その時に確認しているのは、

「鍼をしたから、身体が変わったかどうか」

だけではありません。


鍼をする前に感じていた反応と比べてどうなったのか。

脈はどう変わったのか。

切経した時の反応はどうなったのか。

お腹はどうなったのか。


そうした情報を合わせて、その日の施術での患者さんの変化を確認しています。

施術後に「身体が変わった」と感じることもあります

鍼を受けたあとに、

「身体が軽くなった」

「呼吸がしやすい」

「力が抜けた感じがする」

「眠くなってきた」

などと感じる方もいます。

もちろん感じ方には個人差がありますし、毎回同じ変化が出るわけではありません。


私が大切にしているのは、こうした体感だけで判断することではなく、施術者側からみたお身体の変化も確認することです。


患者さんが感じることと、触れて分かること。


その両方を参考にしながら、その後の施術を考えています。

鍼を抜いたあとにも、施術は続いています

「鍼を抜いたら終わり」というより、

鍼を抜いたあとに、お身体を確認するところまでが施術の一部

と考えています。

鍼をする前のお身体。

鍼をしている途中のお身体。

鍼を抜いたあとのお身体。


それぞれの変化をみながら、その日の状態を確認しています。


こうした確認を繰り返しながら、その方のお身体に合わせて施術を進めています。

こんな方に読んでいただきたいです

  • 鍼をしたあと、どうしてまた身体を触るのか気になっていた方

  • 経絡治療で何を確認しているのか知りたい方

  • 鍼をして終わり、という施術との違いを知りたい方

  • 少ない鍼でどのように施術を組み立てているのか知りたい方

  • 鍼灸を受けてみたいけれど、施術の流れがよく分からない方

お身体のこと、気になることがありましたら

鍼灸では、鍼をすることだけでなく、鍼をしたあとにお身体がどう変化したのかを確認することも大切にしています。

「自分のお身体について相談してみたい」

「鍼灸を受けてみたいけれど、どんなことをするのか分からない」

という方も、まずはお気軽にお問い合わせください。


無理に施術をおすすめすることはありませんので、気になることがありましたら、一度ご相談ください。

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