休みの日に、かえって疲れを感じるのはなぜ?
― 西洋医学と東洋医学から考える、休日の疲れと身体の整え方 ―

やっと休めるはずなのに、休日になると疲れてしまう
平日は仕事や家事で忙しく、ようやく休みの日が来た。
ゆっくり寝て、好きなことをして過ごそうと思っていたのに、朝から身体が重い。
何をするにもおっくうで、気づけば一日中横になっていた。
そんな経験はありませんか?
平日は何とか動けているのに、休日になると疲れがどっと出る。
休んでいるはずなのに、思ったほど疲れが取れない。
このような状態になると、「平日に無理をしすぎているのかな」「もっと休んだほうがいいのかな」と考える方もいらっしゃると思います。
実際に、休日に疲れを感じやすくなる背景には、平日までの疲労や睡眠の状態、ストレス、休日の過ごし方など、さまざまな要因が関係していることがあります。
今回は、西洋医学と東洋医学の両方から、休日にかえって疲れを感じる理由と、日常生活でできるケアについてお話しします。
西洋医学では、休日の疲れをどう考える?
西洋医学的な観点から考えると、休日に疲れを感じる理由はいくつかあります。
1.平日までの疲労が残っている
平日は、仕事や家事、人付き合いなど、さまざまなことに対応しながら過ごしています。
忙しいときには、疲れを感じていても、目の前の仕事を終わらせるために動き続けることがあります。
緊張感や責任感から気が張っていて、疲れを十分に自覚できていないこともあるでしょう。
休日になって仕事などの緊張から離れると、それまで後回しになっていた疲れを自覚することがあります。
これは、休日になった途端に身体が悪くなったということではなく、平日の間にたまっていた疲労を、休みの日になって感じている可能性があるということです。
2.睡眠時間が長くても、疲れが取れるとは限らない
休日は、平日よりも長く寝るという方も多いのではないでしょうか。
睡眠は身体と脳を休めるために必要ですが、睡眠時間だけで、十分に休めているかどうかが決まるわけではありません。
途中で何度も目が覚める、寝つきが悪い、眠りが浅いと感じるなど、睡眠の質が低下していると、長く寝ても疲れが残ることがあります。
また、休日に普段より大幅に遅く起きると、体内時計がずれて、夜に眠りにくくなる場合もあります。
平日の睡眠不足を休日の寝だめだけで補おうとするのではなく、普段から睡眠時間を確保し、できるだけ生活リズムを保つことが大切です。
3.心の緊張が続いている
身体を動かしていなくても、気持ちの面で負担が続いていると、疲れを感じることがあります。
仕事のことが頭から離れない、先の予定が気になる、人に気を遣う場面が多いなど、心が休まらない状態が続いていませんか?
休日になっても仕事のことを考えていたり、やらなければならないことが気になったりすると、身体を休めていても、気持ちが十分に休まらないことがあります。
反対に、仕事から離れて緊張がゆるんだときに、それまで気づかなかった疲れを感じることもあります。
身体を休めることと、気持ちが休まることは、必ずしも同じではありません。
休日に疲れを感じるときは、
睡眠や身体の疲労だけでなく、心の状態にも目を向けてみましょう。
東洋医学では、休日の疲れをどう考える?
東洋医学では、
身体を部分ごとに切り離して考えるのではなく、
気血の状態や全身のバランス、日々の生活との関わりから捉えます。
休日に疲れを感じる場合も、
単に「休みが足りない」と考えるのではなく、
身体を動かすための働きが十分に保たれているか、
気血が全身を巡っているかなどを考えます。
ここで、東洋医学の「気」という考え方が関係してきます。
1.身体を動かすための「気」の働き
東洋医学では、「気」は生命活動を支えるものと考えられています。
呼吸をする、身体を動かす、食べたものから必要なものを取り入れる、体温を保つといった身体の働きも、気の働きと関連づけて捉えます。
気が不足していると考えられる状態を、東洋医学では「気虚(ききょ)」といいます。
気虚の傾向がある場合、
疲れやすい、
身体に力が入りにくい、
少し動いただけでも疲れる、
休んでも回復した感じが得られにくいといった状態がみられることがあります。
ただし、こうした症状があるからといって、必ず気虚だと判断できるわけではありません。
疲れの感じ方や身体全体の状態を確認する必要があります。
休日に疲れを感じる方の中には、平日は何とか動けていても、身体を支える余力が少なくなっている場合も考えられます。
東洋医学では、そのような状態も含めて、今の身体にどのような働きが必要なのかを考えていきます。
2.気が巡っているかどうかも大切
東洋医学では、気は全身を巡りながら、それぞれの働きを支えていると考えます。
気の巡りが滞っている状態は、「気滞(きたい)」と表現されます。
例えば、
緊張が続いて気持ちが落ち着かない、
胸やお腹が張る感じがする、
ため息が増える、
身体に力が入りやすいといった状態がみられることがあります。
もちろん、これらの症状にはさまざまな原因があり、症状だけで気滞と判断することはできません。
ただ、東洋医学では、身体を動かすための力が十分にあるかどうかだけでなく、その力が身体全体でうまく働いているか、気の巡りが滞っていないかという点にも注目します。
平日は忙しさから気持ちが張り詰め、休日になっても緊張が抜けにくい方の場合、単に横になって休むだけでは、十分にすっきりしないこともあるでしょう。
そのようなときは、休息をとることに加えて、気持ちがゆるむ時間をつくることや、無理のない範囲で身体を動かすことも考えてみましょう。
3.休息と活動のバランス
東洋医学では、身体を休めることも、適度に動かすことも大切だと考えます。
疲れているからといって、いつも横になっていればよいとは限りません。
一方で、疲れを無視して動き続けることも、身体への負担になります。
例えば、平日は長時間座って仕事をして、休日は一日中横になって過ごすという生活が続いている場合、身体を動かす機会が少なくなっているかもしれません。
そのような方は、体調に合わせて軽く身体を動かすことで、気分転換になったり、身体のこわばりがやわらいだりすることがあります。
反対に、平日に立ち仕事や外出が多く、身体を酷使している方は、休日にしっかり休息をとることが必要な場合もあります。
大切なのは、休むことと動くことのどちらか一方に偏らず、その日の身体の状態に合わせることです。
東洋医学では、こうした日々の変化も含めて身体の状態を考えます。
休日に疲れを感じにくくするためのセルフケア5つ
休日を心地よく過ごすために、普段の生活の中でできることを5つ紹介します。
① 起きる時間を大きくずらさない
休日だからといって、平日より何時間も遅く起きると、生活リズムが乱れ、夜に眠りにくくなることがあります。
まずは、起きる時間をできるだけ一定にすることを意識してみましょう。
平日の睡眠時間が不足している場合は、休日に無理に早起きする必要はありません。
普段から必要な睡眠時間を確保し、疲れが強いときは身体の状態に合わせて休みましょう。
② 朝、カーテンを開けて光を浴びる
朝に自然の光を浴びることは、体内時計を整えるうえで役立ちます。
起きたらカーテンを開け、窓辺で過ごしたり、体調に合わせて少し外を歩いたりしてみましょう。
朝から無理に活動する必要はありません。
まずは光を浴びて、一日の始まりを身体に知らせることから始めてみてください。
③ 一日中同じ姿勢で過ごさない
休日にゆっくりすることは大切ですが、長時間同じ姿勢で過ごしていると、首や肩、腰などがこわばることがあります。
疲れが強くなければ、時々立ち上がって身体を伸ばしたり、家の中を歩いたりするだけでもよいでしょう。
東洋医学では、気血の巡りを考えるうえでも、適度に身体を動かすことを大切にしています。
ただし、体調が悪いときに無理をして運動する必要はありません。
休息を優先すべきときは、しっかり休みましょう。
④ 湯船につかって、身体を温める
時間に余裕がある休日は、湯船につかる時間をつくるのもおすすめです。
温かいお湯につかると、身体が温まり、緊張をゆるめるきっかけになります。
熱すぎるお湯や長時間の入浴は身体に負担をかけることもあるため、無理のない温度と時間にしましょう。
入浴後は水分をとり、身体が冷えないようにして、ゆっくり過ごしてください。
⑤ 休日に予定を詰め込みすぎない
せっかくの休日だからと、買い物や掃除、用事などを一日に詰め込んでいませんか?
平日にできなかったことを片づけようとすると、休日も忙しくなり、休む時間が少なくなってしまいます。
予定をすべて終わらせようとせず、優先順位をつけて、何もしない時間や好きなことを楽しむ時間も確保してみましょう。
また、仕事や心配事から離れる時間を意識してつくることも大切です。
身体だけでなく、気持ちもゆるめられる時間を持つことで、休日の過ごし方が変わるかもしれません。
セルフケアだけでは疲れが抜けないときは
睡眠や生活リズムを整えること、
身体を温めること、
適度に身体を動かすことは、
日々の健康管理に役立ちます。
ただ、忙しい毎日の中で、自分だけで生活を見直すことが難しい場合もあります。
また、セルフケアを続けていても疲れが抜けにくい、休日になっても身体が重い、首や肩の緊張がなかなか取れないということもあるでしょう。
そのようなときは、身体の状態を確認しながらケアを受けることも一つの方法です。
しんしん調和鍼灸院では、経絡治療を専門に、一人ひとりのお身体と丁寧に向き合っています。
四診法を通して、その日の脈やお腹、経絡やツボの反応などを確認し、全身の状態を考えながら施術を行います。
東洋医学では、気血の状態や全身のバランスを整えることが、身体が本来持っている働きを支えることにつながると考えます。
疲れを感じている部分だけを見るのではなく、身体全体の状態を確認したうえで、本治法と標治法を組み合わせて施術します。
セルフケアを続けながら、必要に応じて身体のプロによるケアも取り入れ、経絡治療で身体のバランスを整え、疲れにくい身体を目指していきませんか。
休日にしっかり休めるように、普段からご自身のお身体をいたわる時間をつくってみてください。
なお、疲れが長く続く場合や、以前より疲れやすさが強くなった場合、日常生活に支障が出る場合は、鍼灸だけで対応しようとせず、医療機関への相談もご検討ください。
無理に施術をおすすめすることはありませんので、休日の疲れや身体の重さが気になる方は、お気軽にご相談ください。
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