鍼灸を受ける間隔が空いても大丈夫?
― 「久しぶり」の鍼灸について ―

「前回の鍼から、かなり間が空いてしまったけれど大丈夫ですか?」
久しぶりにご予約くださった方から、こんなお話を聞くことがあります。
仕事が忙しかったり、予定が合わなかったり、体調が落ち着いていたり。
鍼灸を受けようと思っていても、気がついたら前回から数か月経っていた、ということもあると思います。
そんなときに気になるのが、
「こんなに間が空いてしまっても大丈夫?」
「身体が悪くなっているのでは?」
「久しぶりだと、また最初からになりますか?」
ということではないでしょうか。
今回は、鍼灸を受ける間隔が空いたときに、経絡治療ではどのように身体をみていくのかについてお話しします。
間隔が空いたからといって、鍼灸を受けられなくなるわけではありません
まず、前回から期間が空いてしまったからといって、「もう鍼灸を受けても意味がない」ということではありません。
久しぶりのご来院でも、そのときのお身体の状態を確認しながら施術していきます。
経絡治療では、前回と同じ症状があるかどうかだけではなく、
- 今のお身体の状態
- 脈の状態
- お腹の状態
- 経絡の反応
- 日常生活での変化
- 前回から今回までの体調の経過
などを確認していきます。
前回と同じような症状があったとしても、身体の状態まで同じとは限りません。
反対に、症状がなくなっていても、身体の状態が前回と同じとは限りません。
そのため、久しぶりだからといって「前回の続き」をそのまま行うのではなく、その日の身体をあらためてみることから始めます。
しんしん調和鍼灸院では、前回の施術から4ヶ月以上経過している方は、再診として詳しくお話を伺い、お身体を診させていただきます。
「久しぶりだから、また最初からですか?」
これもよくある疑問です。
経絡治療では、毎回そのときのお身体を確認して施術するため、間隔が空いた場合も、必要なところをあらためて確認します。
ただし、これは「今までの施術が全部リセットされる」という意味ではありません。
前回までの経過も参考にしながら、
「前回と比べてどう変わっているのか」
「今はどこに負担がかかっているのか」
「以前と同じ状態なのか、違う状態なのか」
をみていきます。
たとえば、以前は肩こりが強かったけれど、今は肩こりよりも疲れやすさが気になる。
以前は眠りが浅かったけれど、今は眠れるようになった。
このように、症状や身体の状態は時間とともに変化していきます。
だからこそ、久しぶりの施術では、「前回どうだったか」だけではなく、「今どうなっているか」を確認することが大切になります。
間隔が空くと、身体はどうなるの?
ここは一概には言えません。
鍼灸を受けた後に身体の状態が安定して、そのまましばらく調子よく過ごせる方もいます。
一方で、忙しい生活が続いたり、睡眠不足が重なったり、季節の変化や仕事などの負担が続いたりすると、少しずつ身体のバランスが崩れていくこともあります。
最初は、
「なんとなく疲れる」
「朝が起きづらい」
「眠りが浅くなってきた」
「肩が重い気がする」
という程度だったものが、しばらくすると、はっきりした症状として感じるようになることもあります。
東洋医学では、症状がはっきり出てから身体をみるのではなく、その前の小さな変化にも目を向けます。
そのため、定期的にお身体をみていくことには意味があります。
間隔が空いたときこそ、身体の変化を確認する機会にもなります
鍼灸を定期的に受けていると、
「前より疲れにくくなった」
「眠れるようになった」
「以前より身体が冷えなくなった」
など、少しずつ自分の変化に気づくことがあります。
一方で、間隔が空いたことで、
「そういえば最近、また朝から身体が重いな」
「前より眠りが浅くなっているかも」
と、以前との違いに気づくこともあります。
こうした変化は、必ずしも大きな症状として現れるとは限りません。
だからこそ、久しぶりにお身体をみることで、今の自分の状態を確認する機会にもなります。
「特に悪いところはありませんでした」
ということもあります。
これもひとつの確認となります。
間隔が空いたことを気にしすぎなくても大丈夫です
「本当はもっと早く来たかったのですが……」
と、申し訳なさそうにお話しされる方もいらっしゃいます。
でも、生活の中では予定通りにいかないこともあります。
仕事や家庭のことがあったり、体調が安定していて鍼灸のことを忘れていたり。
それ自体が悪いことではありません。
大切なのは、間隔が空いたことを気にして、そのまま身体の変化を放っておくことではなく、
「そろそろ身体をみてもらおうかな」
と思ったときに、また受けてみることです。
久しぶりだからこそ、今のお身体がどんな状態なのかを確認してみる。
そんな受け方でも大丈夫です。
ただ、身体の状態が大きく崩れてからだと時間がかかることもあります
一方で、経絡治療を定期的に受けることには、もうひとつ意味があります。
身体のバランスが大きく崩れてから整えていくよりも、まだ大きな症状が出ていない段階で身体の状態を確認し、整えていくほうが、身体の変化を追いやすいことがあります。
たとえば、疲れがたまっているけれど、まだ何とか動ける。
眠りが少し浅いけれど、仕事には行けている。
肩や首が重いけれど、痛み止めを飲むほどではない。
このくらいの段階では、「まだ大丈夫」と思ってしまうかもしれません。
もちろん、本当に問題がない場合もあります。
ただ、身体が無理をしている状態が続いていることもあります。
東洋医学では、こうした症状としてはっきり現れる前の状態にも目を向けます。
定期的に身体をみていると「いつもの状態」がわかってきます
経絡治療では、その日の症状だけではなく、脈やお腹、経絡の反応などを確認しながら身体全体の状態をみていきます。
何度かお身体をみていくと、
「このくらいの状態が自分にとって安定している」
「この時期は疲れが出やすい」
「忙しくなると眠りに変化が出やすい」
といった、自分自身の傾向にも気づきやすくなります。
これは、症状が出たときだけ鍼灸を受ける場合とは少し違うところです。
調子が良いときの自分の状態を知っているからこそ、そこからの変化にも気づきやすくなります。
そのため、症状がないときにも身体をみておくことには意味があります。
鍼灸を「身体のメンテナンス」と考えることもできます
鍼灸というと、
「何か症状が出たときに受けるもの」
というイメージがあるかもしれません。
もちろん、つらい症状があるときに身体をみることも大切です。
それだけではなく、症状がないときに今のお身体の状態を確認し、良い状態を保っていくために受けることもできます。
車でも、故障してから修理するだけではなく、定期的に点検をしますよね。
身体は車とは違うので、まったく同じように考えることはできませんが、鍼灸を身体のメンテナンスのように考えていただくことはできます。
経絡治療では、症状だけを見るのではなく、身体全体のバランスをみながら、そのとき必要な施術を行います。
「久しぶりの鍼」だからこそ、今の身体をみていきます
鍼灸を受ける間隔は、すべての方が同じである必要はありません。
最初は間隔を詰めて身体の変化をみていくこともありますし、状態が安定してきたら、少しずつ間隔を空けていくこともあります。
反対に、忙しい時期や季節の変化などで身体の負担が増えているときには、いつもより早めに身体をみることもあります。
「何週間に一度」と機械的に決めるのではなく、そのときのお身体の状態や生活の変化を見ながら、無理のない間隔を考えていくことが大切だと考えています。
しばらく鍼灸を受けていなかった方も、
「久しぶりだから行きづらい」
と気にしなくて大丈夫です。
前回から時間が空いた分も含めて、今のお身体の状態を確認するところから始めます。
「最近ちょっと疲れが抜けにくいな」
「そういえば、しばらく身体をみてもらっていないな」
そんなときは、久しぶりの鍼をきっかけに、今のお身体の状態を確認してみるのもひとつです。
無理に施術をおすすめすることはありませんので、「久しぶりだけど、また鍼灸を受けてみようかな」と感じる方は、お気軽にご相談ください。
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