鍼灸はどのくらいの頻度で受ければいいの?
― 毎週? 月に1回? その時のお身体に合わせて考えます ―

「次はいつ受ければいいですか?」
鍼灸を受けたあと、
「次はいつ来ればいいですか?」
「毎週受けたほうがいいですか?」
「月に1回でもいいですか?」
と聞かれることがあります。
鍼灸を初めて受ける方にとっては、どのくらいの間隔で受ければいいのか分からないですよね。
実際のところ、鍼灸を受ける頻度に「全員これが正解」という決まった間隔はありません。
症状の強さや続いている期間、その時のお身体の状態によっても変わります。
また、一度施術を受けたあとに身体がどう変化したのかによって、次の施術を受けるタイミングも変わってきます。
毎週受けたほうがいいの?
「鍼灸は続けて受けたほうがいい」と聞くと、
「じゃあ毎週通わないといけないの?」
と思うかもしれません。
必ずしもそうではありません。
たとえば、今かなり疲れがたまっている場合や、症状が強く出ている場合には、最初は間隔を詰めてお身体をみていくことがあります。
一方で、ある程度お身体の状態が安定している方なら、最初から毎週ではなく、少し間隔をあけて様子をみることもあります。
大切なのは、「週1回」「月1回」と先に決めてしまうことではなく、その方のお身体に合った間隔を考えることです。
最初は少し間隔を詰めることがあります
慢性的な不調が続いている場合、
「一度鍼を受けて少し楽になったけれど、数日するとまたつらくなる」
ということがあります。
これは、施術をしたら身体がずっと同じ状態を保てる、というものではないからです。
日常生活に戻れば、
仕事をする
家事をする
睡眠時間が短くなる
ストレスがかかる
季節が変わる
など、身体にはまたさまざまな負担がかかります。
そのため、最初のうちは施術の間隔を少し詰めて、身体がどのように変化していくのかを確認することがあります。
毎回の施術で同じことを繰り返すのではなく、
「前回のあと、身体はどうだったか」
「どのくらいの期間、楽な状態が続いたか」
「症状が戻ったときは、どんな状態だったか」
なども確認しながら、次の施術のタイミングを考えていきます。
では、どのくらいの間隔なの?
これはお身体の状態によって変わりますが、考え方としては大きく分けると、
症状が強い時期
→ 間隔を詰めてみる
少しずつ安定してきた時期
→ 間隔をあけてみる
状態が安定している時期
→ 定期的なメンテナンスとしてみていく
というように変わっていくことがあります。
もちろん、これは「必ずこの順番」というものではありません。
一度の施術で長く良い状態が続く方もいれば、何回か続けてお身体をみていく必要がある方もいます。
だからこそ、最初から「○週間ごと」と固定するのではなく、その方のお身体の変化をみながら考えています。
経絡治療では、次の施術の間隔も身体の変化から考えます
私が行っている脉診流・経絡治療では、毎回お身体全体の状態を確認してから施術を行います。
脈を診たり、経絡の状態を確認したり、お腹など身体の反応をみたりしながら、その時に必要な施術を考えます。
そして、施術が終わったらそれで終わりではありません。
施術後に身体がどう変化したのかも、次の施術を考えるための大切な情報になります。
たとえば、
前回は3日くらい楽だった。
今回は1週間くらい調子が良かった。
以前より疲れにくくなってきた。
症状が戻っても、前ほどつらくない。
こうした変化があれば、同じ方でも施術の間隔を変えていくことがあります。
「楽になったから、またすぐ受ける」だけではありません
鍼灸を受けると身体が楽になる。
すると、
「またつらくなる前に、すぐ受けたほうがいいのかな?」
と思う方もいるかもしれません。
もちろん、つらい症状があるときに施術を受けることは一つの方法です。
ただ、経絡治療では「症状が出たら鍼をする」というだけではありません。
施術を受けたあとに、どのくらい身体の状態を保てたのかもみていきます。
前よりも長く良い状態を保てるようになってきたなら、施術の間隔を少しずつあけていくこともできます。
「毎週受け続けること」が目的ではなく、その時のお身体に必要な頻度を考えることが大切です。
月に1回くらいでも意味がありますか?
症状が落ち着いている方の中には、
「月に1回くらい、自分の身体を確認する時間にしたい」
という方もいます。
毎日の生活の中では、多少疲れていても、
「これくらい普通かな」
と、そのまま過ごしてしまうことがあります。
でも、少しずつ疲れがたまっていたり、
睡眠が浅くなっていたり、
季節の変化に身体がついていきにくくなっていたり
することもあります。
東洋医学には「未病(みびょう)」という考え方があります。
まだ大きな不調として現れていない段階から、身体の変化に気づき、整えていくという考え方です。
「何か症状があるから受ける」というだけではなく、
「最近、少し疲れやすいな」
「今の身体はどんな状態かな」
と確認するために、定期的に身体をみることもできます。
「症状がなくなったら、間隔をあけていい」の?
はい。
症状が落ち着いて、お身体の状態も安定してきた場合は、施術の間隔をあけていくことがあります。
これは「もう鍼灸が必要なくなった」ということとは少し違います。
最初は短い間隔でお身体をみていたけれど、状態が安定してきたので、少しずつ間隔をあけてみる。
その間に身体がどう過ごせるのかを確認する。
そして、また疲れがたまってきたときには施術を受ける。
このように、お身体の状態に合わせて頻度を変えていくこともできます。
逆に、間隔をあけすぎないほうがいい場合もあります
「できるだけ間隔をあけたほうがいい」というわけでもありません。
症状が強く出ているときや、
疲労がかなりたまっているときなどは、
一度整えても日常生活の負担ですぐに元の状態に戻ってしまうことがあります。
そういう場合は、最初のうちは少し間隔を詰めてお身体をみることがあります。
身体の状態が安定してきたら、少しずつ間隔をあけていく。
このように、今のお身体に合わせて「詰める」「あける」を考えていきます。
鍼灸を受ける頻度は「症状」だけで決めません
同じ「肩こり」という症状でも、
仕事で毎日長時間パソコンを使っている人と、最近一時的に肩がこった人では、身体の状態は違います。
同じ「疲れやすい」という悩みでも、
睡眠不足が続いている人と、季節の変化で一時的に疲れを感じている人では、必要なケアも違います。
東洋医学では、症状だけを見るのではなく、その症状が出ているときのお身体全体の状態をみます。
そのため、
「肩こりだから週1回」
「自律神経の不調だから月2回」
というように、症状だけで頻度を決めることはしていません。
「どのくらいの頻度で受ければいい?」に正解はありません
鍼灸の頻度について、
「週に1回が正解です」
「月に1回で十分です」
と一つに決めることはできません。
大切なのは、
今のお身体がどんな状態なのか。
施術を受けたあと、どのように変化したのか。
その変化がどのくらい続いたのか。
この3つをみながら、次の施術を考えていくことです。
最初は間隔を詰めていた方が、身体が安定してきて月1回になったり、季節の変わり目だけ少し早めに施術を受けたりすることもあります。
反対に、忙しい時期や体調を崩しやすい時期には、いつもより早めに身体を整えることもあります。
その時々のお身体に合わせて、無理のないペースを一緒に考えていきます。
鍼灸は「通い続けること」が目的ではありません
鍼灸院に通うこと自体が目的になってしまうと、
「今の自分に本当に必要なのかな?」
と分からなくなってしまうこともあります。
私が大切にしているのは、施術を受けることそのものよりも、ご自身のお身体の状態を知っていくことです。
施術を受けたあと、
「前より疲れにくくなった」
「身体の変化に気づけるようになった」
「無理をすると調子を崩すことが分かってきた」
そんなふうに、ご自身の身体を知るきっかけになればと思っています。
経絡治療では、その時のお身体をみながら施術を行います。
「次は○日後」と一律に決めるのではなく、前回から今回までの変化も確認しながら、その方に合ったペースを考えていきます。
どのくらいの頻度で受ければいいのか分からない。
そんな場合も、施術の際にお身体を確認しながら一緒に考えていきます。
無理に施術をおすすめすることはありませんので、「自分に合ったペースで身体を整えていきたい」と感じる方は、お気軽にご相談ください。
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