同じ生活をしているのに、体調に波があるのはなぜ?
身体は毎日同じ状態ではありません。東洋医学の「陰陽」から考える体調の変化

「昨日はいつも通り過ごせたのに、今日は身体が重い」
「特に生活を変えたわけではないのに、朝からすっきりしない」
このように、同じような生活をしていても、日によって体調が違うことはありませんか?
睡眠時間も食事も、それほど変わっていない。
それなのに、身体が軽く感じる日もあれば、疲れやすい日もあります。
私たちの身体は、毎日同じ状態を保っているわけではありません。
睡眠や食事、活動量、気温や天候、気持ちの変化など、さまざまな影響を受けながら、そのときどきの状態を保っています。
東洋医学では、このような身体の変化を考えるうえで「陰陽(いんよう)」という考え方を大切にしています。
今回は、陰陽の考え方を通して、体調に波が生まれる理由について考えてみます。
身体の状態は、毎日少しずつ変わっている
私たちは、普段の生活の中で、知らないうちにさまざまな影響を受けています。
例えば、次のようなことです。
- 前日の疲れが残っている
- 睡眠の深さや質がいつもと違う
- 食事の時間や量が変わった
- 気温や湿度が大きく変化した
- 仕事や人間関係で気を使うことが多かった
- 身体を動かす時間が少なかった
一つひとつは小さな変化でも、いくつか重なることで、身体の感じ方が変わることがあります。
また、同じ時間眠っていても、ぐっすり眠れた日と、途中で何度も目が覚めた日では、朝の身体の状態が違うこともあります。
体調は、ひとつの原因だけで決まるものではありません。
その日の身体がどのような状態にあるのかによって、同じ仕事や家事でも、疲れ方が違ってくることがあります。
東洋医学の「陰陽」とは?
東洋医学では、自然界にあるさまざまなものを「陰」と「陽」という二つの性質に分けて考えます。
陰と陽は、どちらかが良くて、どちらかが悪いというものではありません。
互いに反対の性質を持ちながら、支え合い、バランスを取り合っているものです。
例えば、次のような関係があります。
| 陽 | 陰 |
|---|---|
| 昼 | 夜 |
| 明るい | 暗い |
| 温かい | 冷たい |
| 活動 | 休息 |
| 外へ向かう | 内に向かう |
昼間は活動し、夜になると休む。
身体を動かしたら、休息をとる。
このように、私たちの生活にも陰と陽の関係が見られます。
身体の中でも、
活動するときには活動に必要な働きが高まり、
休息するときには身体を休める働きが中心になります。
どちらか一方だけが続くのではなく、そのときの状況に合わせて変化していくことが大切です。
陰と陽のバランスが変わると、身体の感じ方も変わる
東洋医学では、身体の中にも陰と陽があり、互いに関係しながら身体の働きを支えていると考えます。
例えば、活動するための働きが十分に発揮されないと、身体が重く感じたり、動き出すまでに時間がかかったりすることがあります。
反対に、休息が足りず、活動する状態が長く続くと、落ち着かない、眠りにくい、疲れが抜けにくいといった状態につながることもあります。
東洋医学では、こうした状態を陰陽の偏りという視点から捉えます。
ここでいうバランスは、陰と陽が常に同じ量であるという意味ではありません。
活動するときには陽の働きが表れ、休むときには陰の働きが中心になるように、状況に応じて変化していくことが自然な状態です。
その変化がうまくいかず、どちらかに偏った状態が続くと、身体の不調として現れることがあると考えます。
気候や季節の変化も、身体に影響する
体調の波は、自分の生活だけでなく、周囲の環境によっても生まれます。
例えば、急に気温が下がった日には身体が冷えやすくなり、暑さや湿度が高い日には、身体の重さやだるさを感じることがあります。
また、季節の変わり目には、朝晩と日中の気温差が大きくなり、身体が環境の変化に対応しようとします。
東洋医学では、自然界の変化と人の身体は関係していると考えます。
昼と夜、暑さと寒さ、季節の移り変わりなど、自然界には陰陽の変化があります。
人の身体も、その変化に合わせながら働いています。
そのため、普段と同じ生活をしていても、気候や季節の影響によって身体の感じ方が変わることがあるのです。
体調に波があるとき、何を意識すればよい?
体調に波があると、
「昨日はできたのに、今日はできない」
「いつもと同じように過ごせない」
と、自分の身体を気にしてしまうこともあると思います。
ただ、毎日同じ調子で過ごせないことは、必ずしも特別なことではありません。
その日の身体の状態に合わせて、過ごし方を少し調整してみましょう。
① 朝の身体の状態を確認する
起きたときに、身体の重さや疲れの残り方、食欲などを少し意識してみます。
いつもと違う変化に気づくことが、身体を知るきっかけになります。
② 疲れている日は、活動量を調整する
いつもと同じ量をこなそうとせず、休憩を増やしたり、予定を詰め込みすぎないようにしたりすることも必要です。
③ 活動と休息のバランスを意識する
忙しい日が続いたら、意識して休む時間をつくりましょう。
反対に、長時間同じ姿勢で過ごしているときは、軽く身体を動かしてみるのもよい方法です。
④ 食事や睡眠のリズムを整える
食事や睡眠は、身体の働きを支える基本です。
毎日完璧に同じ時間にする必要はありませんが、できる範囲で生活のリズムを保つことを意識してみましょう。
大切なのは、毎日同じ状態を目指すことではなく、その日の身体の変化に気づき、無理のない過ごし方を選ぶことです。
経絡治療では、その日の身体の状態を確認します
体調に波があるとき、気になる症状だけを見ても、身体全体の状態までは分からないことがあります。
しんしん調和鍼灸院で行っている経絡治療では、毎回同じ場所に鍼をするのではなく、その日の身体の状態を確認して施術を行います。
東洋医学の四診法(望診・聞診・問診・切診)を用いて、お話を伺い、脈やお腹、経絡やツボの反応などを確認しながら、その日の「証(あかし)」を立てていきます。
同じ方でも、前回と今回では身体の状態が異なることがあります。そのため、施術するツボや組み合わせも、そのときの状態に合わせて考えます。
身体全体のバランスを整える「本治法」と、痛みやこりなど気になる部分に働きかける「標治法」を組み合わせ、気血の巡りや身体の働きを整えていきます。
体調に波があることを、単に調子が良い日と悪い日があるというだけでなく、身体からの変化のサインとして受け止めてみることも大切です。
無理に施術をおすすめすることはありませんので、
「日によって体調の差が大きい」
「自分の身体の状態に合わせた整え方を知りたい」と感じる方は、一度ご相談ください。
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